【監査法人への就職活動】監査法人を選ぼう!-監査法人別担当クライアントの調べ方-

2019年8月31日

監査法人を選ぼう!

こんにちは。会計士KOです。
今回は論文受験生のための監査法人選びについて記事を書いてみたいと思います。

 

主なテーマは、
「監査法人に関する情報収集方法」
です。

 

まずは、論文受験生の皆さん、論文式試験お疲れ様でした。
私も3日目の試験が終わった後は受験仲間と飲みに行ったのですが、ビールを1口飲んだだけで泥酔したことを覚えています。
とりあえずゆっくり休んでください。そして我慢してきたことをたくさんしてください。
また、そんな中、気負わずに読める監査法人選びの記事をいくつか書いてみましたので、のんびり読んでもらえると嬉しいです。

監査法人選びで悩むこと

受験生当時、監査法人選びでかなり悩んだことを思い出して、この記事を書いてみようと思いました。
私も論文受験生だった頃、
よくある疑問・どの監査法人が、どの企業を監査してるの?
・どのくらい人員数がいるの?
・どのくらいの規模なの?
・IPOはどの法人が盛んなの?
・商社はどこが監査しているの?
・主な金融機関はどこが監査しているの?
という点が全く分からず、とりあえず就活してしまっていました。

 

結果的に見れば、特に失敗したということでもないのですが、やはり情報収集ができていれば楽だったなあと思います。

 

また、今後、専門家である会計士となる以上、まずは情報収集ができることが基本。
そして、やはり人に聞いたといった類のものではなく、1次情報を確認した上で、判断の土台に立って欲しいと思いますので、そんな一助のための記事を書いています。

 

今回は、当時一番気になっていた「どの監査法人がどの企業を監査しているの?」という観点で記事を書いています。
また、
3つの人気な視点

・「IPO」
・「商社」
・「金融機関」

という切り口は就活生に人気かと思うので、就活用の別記事を書いています。更新済のものはページ最後にある各リンクから、また、未更新のものは投稿後、Twitterで告知をするので、ぜひ楽しみにしてて下さい。

 

では、以下にて監査法人がどの会社を担当しているか、その調べ方を書いていきますね。

どの監査法人がどの企業を監査しているの?

「どの監査法人がどの企業を監査しているか」具体的に調べる方法は3つあります。

早速ですが、以下の3つです。

調べ方1. 監査法人の「業務及び財産の状況に関する説明書類」を見る(適時性△、網羅性◎、簡単)
2. 監査報告書・レビュー報告書を見る(適時性○、網羅性△、面倒)
3. 就活で聞く(適時性◎、網羅性△、面倒)
初っ端から1番目、なにそれ・・・?という方も多いと思います。

簡単に言うと、

監査法人の業績や人員数、クライアントの情報などを1年に1回報告する書類

です。

詳しめに言うと、
監査法人は公認会計士法第34条において、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成することとななっています。

 

その内容が以下の通りです。(面倒なひとは読み飛ばしてくださって構いません。)
〜公認会計士法に関する内閣府令〜
① 業務の概況
・ 監査法人の目的及び沿革
・ 無限責任監査法人又は有限責任監査法人のいずれであるかの別
・ 業務の概要及び業務の内容
・ 業務管理体制の整備及び業務の運営の状況
・ 他の公認会計士(大会社等の財務書類について監査証明業務を行ったものに限る。)又は監査法人との業務上の提携に関する事項
・ 外国監査事務所等との業務上の提携に関する事項
② 社員の概況
・ 社員の数
・ 監査法人の活動に係る重要な事項に関する意思決定を社員の一部をもって構成される合議体で行う場合には、当該合議体の構成
③ 事務所の概況
・ 名称、所在地、事務所に勤務する社員の数及び公認会計士である使用人の数
④ 監査法人の組織の概要
⑤ 財産の概況
・ 直近2会計年度に係る売上高の総額
【有限責任監査法人の場合は、以下の記載も必要】
・ 直近の2会計年度の計算書類
・ 計算書類について監査証明を受けている場合には当該監査証明に係る監査報告書
・ 供託金等の額
・ 有限責任監査法人責任保険契約をもって供託に代える場合には、その旨及び
当該契約の内容
 ⑥ 被監査会社等(大会社等に限る。)の名称

このうち、大会社等には限られますが、⑥被監査会社等の名称は必ず公表することとなりますので、どの監査法人がどのクライアントを監査しているのかざーっと確認したい場合は、この書類を見ることで、一覧で確認ができます。

特に、

「監査をしてみたい企業は思いつかないけど、どの監査法人がどのようなところを監査しているのか」

と言うことをざっくり知りたい人にはおすすめです。

また、クライアント名だけではなく、営業収益の金額や、人員数なども一覧で確認することができます。

イメージはこんな感じです。
(以下、トーマツの最新の説明書類から引用)

クライアントの一覧はこのようになっています。

ここをざーっと眺めたり、検索したりするだけでもなんとなくイメージが掴めるかとおもいます。

他の監査法人も同様の資料を公衆縦覧に供しています。ぜひ確認をしてみましょう。

各監査法人の説明書類リンク

各監査法人の説明書類に関するURLをまとめておきました。
2019年8月現在において、トーマツ以外の監査法人は2018年6月期決算時点の説明書類ですが、9月頃に最新のものが出るかと思いますので、確認してみてください。
もし更新された場合にはURLを更新して告知しますので、ご安心ください。

・トーマツ(2019年5月期):2019年8月5日公表

・あずさ(2018年6月期):2018年9月13日公表

・新日本(2018年6月期):2018年9月6日公表

・あらた(2018年6月30日):2018年9月14日公表

・太陽(2018年6月30日)

・東陽(2018年6月30日)

・京都(2018年6月30日)

・優成(2018年6月30日)

・清和(2018年6月30日)

・仰星(2018年6月30日)

監査報告書・レビュー報告書を見る

もし、監査を担当してみたいという企業が決まっているのであれば、監査報告書・レビュー報告書を確認するというのが一番堅実な方法かと思います。

 

監査報告書やレビュー報告書は確認すればさらっと出てきます。

 

では、実際にGoogleで企業名を検索してIR情報を見にいきましょう。
串カツ田中をみてみます。串カツ美味しいよね🍻🍻🍻

 

 

検索するとすぐ、IRのページが出てきました。

 

 

そして、IRのページにいき、最新の四半期報告書を確認してみます。

そうすると、新日本が担当していることがわかりました。

他の企業についても、最新の有価証券報告書もしくは四半期報告書を入手し確認すると、必ず最後の方に監査報告書もしくはレビュー報告書が付いています。確認してみましょう!

 

ただし、監査法人の異動が発生しているケースも少なからずありますので、監査法人の交代などの記事が出ていないかは必ず確認してください。

就活イベントで聞く

最後の最後、不安であれば就活イベントで聞いてみてください。

 

もし監査法人の異動があった場合などは悲しい気持ちになるので、優しいリクルータであれば、守秘義務に抵触しない限りで、色々と教えてくれるはずです。
また、色々調べてから質問するというのは会計士の必須スキルなので、こいつ出来る・・・!!と思われたりするかもです。しないかもですが。

まとめ

就活は色々大変だと思いますが、まだまだ人手不足感は止まず、売り手市場は続く気配です。
そんな中、自分のいきたい監査法人をしっかり選んでくださると嬉しいと思っています。
もし何かあれば、コメントやTwitterのDMなどでリクエストくだされば、守秘義務等や所属する法人のレピュテーションに抵触しない範囲で回答します!
では、合格発表までドキドキかもしれませんが、ぜひこの期間を楽しんでください。

記事リンク

【監査法人への就職活動】監査法人を選ぼう!-IPO編-

IPOに関する記事を更新しました。

2014年〜2019年に至るまでのIPO件数をベースにして記事化しています。

【2014年-2018年】IPO企業別監査法人・主幹事証券のまとめ

上記のIPOに関する記事の基礎資料を更新しました。

ぜひ、どの会社のIPOにどの法人が関与しているのか、確認してみてください。

【監査法人への就職活動】監査法人を選ぼう!-商社編-

商社という切り口から監査法人の就活についてまとめています。
商社に興味のあるかたは確認してみてください。

ご参考になれば幸いです。