JISAから「「収益認識に関する会計基準」を巡る論点及び実務対応」が公表。内容は?

こんにちは。

会計士KOです。

 

今回は、JISAから「「収益認識に関する会計基準」を巡る論点及び実務対応」が公表されたので、内容について確認をしてみます。

JISA会員は1,000円、JISA非会員は10,000円でレポートを購入することが出来ます。以下が、公表のHPとURLです。

 

『収益認識に関する会計基準』を巡る論点及び実務対応

 

2018年になり公表された収益認識に関する会計基準については、各企業必死になって対応を進めているところであるかと思いますが、特にIT産業については契約が多岐に渡っていたり、解釈が分かれる余地のある場面が多く、頭を悩ませている会計士や経理の方なども多くいらっしゃるかと思います。

今回、当該基準に関して、JISAが上記のような報告書を刊行しています。そして入手して読んでみました。

 

結論から申し上げると、基本的にIT産業の会計、監査、経理に関わる方は買ったほうが良いかと思います。

内容はとてもキレイにまとまっていましたし、基準を挙げるだけのレポートではなく、踏み込んだ解釈がかなり有りました。

 

以下では、JISAとは何か、また簡単な内容、そして、購入したほうが良いと思う理由について記事にしています。

 

(公表サイトより引用)

 

JISAとはなにか?

JISAとは?

そもそもJISAとはなんでしょうか。

JISAは、

Japan Information Technology Services Industry Associationの略で、情報サービス産業協会といいます。

公式HPはこちらです。

また、Wikipediaからの引用で申し訳ないですが、簡単な説明としては以下の通りです。

一般社団法人 情報サービス産業協会(じょうほうさーびすさんぎょうきょうかい, JISA)は、日本を代表するシステム・インテグレータや有力ソフトウェア開発企業、シンクタンクを中心として、主要な情報サービス企業734社で構成する業界団体である。1984年に、(社)日本情報センター協会と(社)ソフトウェア産業振興協会の両協会が合併して発足した。

2007年5月29日、業界最大手であるNTTデータの元代表取締役社長 浜口友一が7代目新会長に就任した。

(Wikipediaより)

 

協会会員は?

協会会員については、名だたるIT企業が名を連ねています。現在の会長はコンサルティング企業である㈱リンクレアの特別顧問である原氏です。

特にSIerや、ソフトウエアの開発企業、その他シンクタンクが中心となっています。

以下のURLに会員が記載していますので、気になる方は是非見てみてください。

JISA法人名簿

大手ですと、伊藤忠テクノソリューションズや、SCSK、NTTデータ、TIS、NRIといった企業が目立つでしょうか。

 

今までの刊行物は?

今までの刊行物で、会計処理に関連するものとして有名なものは以下でしょうか。

近時の情報サービス業界の会計動向に関する調査報告

公表は2010年と少し古いのですが、SaaS型のサービス、ASP型のサービスについての会計処理に関する考え方がまとまっています。

よく同種のサービスの監査や調査などに行った際には参考にしていました。

こちらに関しては、ネット上で内容が確認できますね。

 

また、今回の報告書の先駆けとして、IFRSの収益認識基準に関する分析を行った、

情報サービス産業におけるIFRS対応に向けた会計処理事例集

等も刊行されています。

ぜひ、読んだことがない方は、目を通してみてはいがでしょうか。

 

簡単な内容について

著作権等もある中、多くを引用することはできませんが、簡単に内容をまとめてみます。

本報告書は「東証1部上場8社及び会社法被監査会社1社」の合計9社で協議された結果を公表したものです。

冒頭にも記載をした通りとはなりますが、新収益認識基準への対応を円滑に適用するために協議された企画であります。

また、注意点としては、個別の会計処理についての妥当性の保証を行うものではないため、留意をする旨が記載されています。こちらに関しては、あくまでも考え方の参考、一例として受け止めるべき点でしょう。

 

取り上げられている論点について

収益認識の5STEPに従った論点が、20論点記載されてあります。

特にSIerなどの監査、会計処理では論点になりがちな、

論点の例

履行義務の分割や識別の判断基準

開発と保証契約の履行義務の考え方

ライセンスの供与の収益認識のタイミング

等といった内容を取り上げ、かなり踏み込んだ論調で記載をしてくれています。

よくある本や報告書では、ただ基準を取り上げただけ、といったものが多い中、本報告書では多くの論点に明確に解釈を打ち出してくれています。

 

読むべき?買うべき?

本報告書は少なくとも、ITに関連した監査や経理の職に携わっている方は購入したほうが良いと思います。

特に大手の第三者が提出しているレポートは一定程度、信頼が置けますし、100%あてはめが出来なかったとしても、考え方の寄り処にはなると思います。

論点については、私の知る限り、かなり実務で問題になりそうな点を切り込んでくれており、「なるほど、そうなるのか、、、」といった理解がかなり進みました。

とりあえず入手が出来る方は是非読みましょう。監査法人と収益認識で揉めている方も是非読んでみると発見があるかもしれません。

 

ではでは、本日のアウトプットでした。