【監査法人への就職活動】監査法人を選ぼう!-メガバン・大手金融機関編-

【監査法人就活】監査法人を選ぼう-メガバン編+大手金融機関編-

今回は就活生に人気のある、メガバンクを切り口に記事を書いてみたいと思います。

そもそもメガバンクとは

メガバンクという言葉はよく聞くかもしれませんが、実は明確な定義はないようです。
一助となるような定義付けをしている記載を発見しましたので、以下に内容を引用しておきます。(恥ずかしながらwikipediaですいません。)

メガバンク(英語: Megabank, Mega bank)とは、巨大な収益規模や資産を有する銀行・銀行グループ、あるいは1兆ドル以上の総資産を持つ銀行グループのことである。統合・合併で誕生した巨大銀行を指す場合もある。(中略)
日本ではバブル景気が崩壊した1990年代以降、日本の銀行(邦銀)はいずれも過剰融資による不良債権で急速に体力を失っていった。また同時に、総会屋に対する利益供与事件が明らかになったり、その不透明な融資体制、護送船団方式により喪失した国際競争力などもあり、こうした問題の解決に迫られた。
これらの諸問題の包括的な是正のため1996年、第2次橋本内閣はその政策の柱に「金融制度改革」いわゆる金融ビッグバンを提唱。1998年には独占禁止法が改正され持株会社の設立が可能になり、統合のための制度的環境が整備された。
一方で1997年には北海道拓殖銀行と山一證券が、翌1998年には日本長期信用銀行と日本債券信用銀行が破綻し、社会からの金融に対する信頼は大きく低下。「銀行が潰れる」という事態が現実のものとなり、その他の大手銀行にも経営不安がささやかれるようになる。
こうした危機感の中、銀行の統合による規模の経済性、多角化による経済性、コスト削減効果等により見込まれる経営改善効果を期待した邦銀は、1999年以降雪崩を打って再編へ走り出す。こうして1970年代から1980年代に「都銀13行」「大手20行」と呼ばれた各行は、段階的な合併劇を繰り返した末、2006年には4大銀行(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行)、3大メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ)体制に落ち着いた。
企業の株式持ち合いなど日本独自の慣行を取っており、3メガバンクは2015年6月時点で株を合計6兆5000億円(取得原価ベース)も保有していたが、アベノミクスの成長戦略の中の企業統治強化に伴い、金融庁から持ち合い株売却の規制を受けている。

Wikipediaより引用

結論としては、

・三菱UFJフィナンシャルグループ
・三井住友フィナンシャルグループ
・みずほフィナンシャルグループ

の3銀行ということですね。

どの銀行がどのくらいの営業収益があるか、また、どのくらいの資産規模か、というのは以下の各PL指標、各BS指標の項目でまとめています。

また、メガバンクではありませんが、収益規模を勘案し、以下の大手金融機関も合わせて確認していくこととします。

・ゆうちょ銀行
・三井住友トラストHD
・りそなHD
・新生銀行

なお、三井住友トラストHDと三井住友フィナンシャルグループは名前は似ていますが、直接的な資本関係はありませんので、留意です。

 

では、例によって業績、そして財政状態の比較から始めていきます。

各PL指標

では、上記で上げた銀行の各PL指標について、説明していきます。

とはいえ、金融機関のPLは少し特殊なので、ちょっとだけ補足をしていきますね。

まず気づくのは、トップラインです。売上高という科目がなく、経常収益という表記ですね。

銀行のPLは大きく、経常損益と特別損益の2つに分かれます。一般事業会社のように売上高の区分はされていません。

経常損益はさらに細かく、以下の5区分に分類されます。

・資金運用収益/資金調達費用

資金運用収益は、資金運用業務から発生する利息などが主で、「貸出金利息」や「有価証券利息配当金」などが計上されることとなります。

一方で、資金調達費用は、資金調達業務から発生する費用が主で、「預金利息」、「社債利息」などが計上されることとなります。

・役務取引等収益/費用

役務提供の対価としての収益、費用です。口座手数料や投資信託の販売手数料などが収益となる一方、為替の手数料などが役務取引費用となります。

・特定取引収益/費用

特定取引勘定設置銀行がヘッジ目的で取引する有価証券から生じた売買・評価損益などです。

・その他業務収益/費用

金融派生商品の損益を計上する区分です。

・その他経常収益/費用

上記以外の経常損益であり、貸倒引当金繰入などが主です。

私も一時期、金融に興味があったのでほんの少しだけ知識があるのですが、より詳細についてはご自身で調べてみてくださいね。(また、もし記載に誤りがあれば是非教えてくださいませ)

特別損益や、当期純利益などは通常と大きく変わりませんので、ご安心ください。

では、実際のPLについて見ていきます。

大手金融機関PL比較(単位:百万円)

会社名三菱UFJFG三井住友FGみずほFGゆうちょ銀行三井住友トラストHTりそなHD新生銀行
決算期2019年3月32019年3月2019年3月2019年3月2019年3月2019年3月2019年3月
経常収益6,697,4025,735,3123,925,6491,845,4131,467,916860,706372,243
経常費用5,349,3594,600,0123,311,5311,471,4341,211,504657,687316,846
経常利益1,348,0431,135,300614,118373,978256,411203,01855,397
特別利益17,7972,82611,280-1,51840,261218
特別損失220,51314,547509,1384,10716,5894,6731,031
税前当期純利益1,145,3271,123,579116,259369,870241,340238,60654,584
法人税等195,568331,424-2,502104,09060,59957,3032,503
当期純利益949,758792,155118,762265,780180,741181,30352,080
親会社株主利益872,689726,68196,566266,189173,889175,16252,319
非支配株主利益77,06965,47422,196-4096,8516,140-239
その他の包括利益-262,7663,035-229,304-242,403-86,815-69,015-2,588
包括利益686,992795,191-110,54223,37693,925112,28749,492

 

こう見ると、6.6兆円の経常収益を誇る、三菱UFJフィナンシャルグループが圧倒的な一位ですね。

次いで、経常収益5.7兆円の三井住友フィナンシャルグループが来ます。

そしてメガバンク最後は経常収益3.9兆円のみずほフィナンシャルグループです。

その他金融機関は記載の通りです。ご確認くださいね。

各BS指標

各BS指標は以下の通りです。

一部、比較がしきれない点があるので、BS比較についてはざっくりとなってしまっていることをご容赦ください。

大手金融機関BS比較(単位:百万円)

会社名三菱UFJFG三井住友FGみずほFGゆうちょ銀行三井住友トラストHTりそなHD新生銀行
決算期2019年3月2019年3月2019年3月2019年3月2019年3月2019年3月2019年3月
現金預け金74,206,89557,411,27645,108,60250,698,68616,045,86414,848,5281,355,966
資産合計311,138,903203,659,146200,792,226208,974,13457,029,11359,110,0759,571,172
負債合計293,877,225192,207,534191,598,188197,611,76854,298,75656,753,8978,674,529
資本金2,141,5132,339,4432,256,7673,500,000261,60850,472512,204
資本剰余金1,034,641739,0471,138,4494,296,286645,003-78,506
利益剰余金10,640,6555,992,2473,915,5212,477,8781,387,5921,614,908346,562
自己株式-516,649-16,302-7,703-130,0926-51,222-4,213-37,729
株主資本合計13,300,1609,054,4367,303,0348,973,2372,242,9821,661,168899,544
その他の包括利益累計額2,879,1151,713,8841,445,7702,384,159410,478449,861-7,500
新株予約権2174750707--106230999
非支配株主持分1,082,184678,540444,5254,96875,832244,8384,498
純資産合計17,261,67711,451,6119,194,03811,362,3652,730,3562,356,178896,642
負債・純資産合計311,138,903203,659,146200,792,226208,974,13457,029,1135,110,0759,571,172
こちらでも、最も資産規模が大きいのは311兆円の総資産規模となる三菱UFJ銀行ですね。

各企業の監査法人

では、以上のPL、BSを俯瞰したうえで、各企業の業績と監査法人を以下に記載しておきます。

三菱UFJFG

営業収益:6.6兆円
総資産:311兆円
監査法人:トーマツ

三井住友FG

営業収益:5.7兆円
総資産:203兆円
監査法人:あずさ

みずほFG

営業収益:3.9兆円
総資産:200兆円
監査法人:EY新日本

ゆうちょ銀行

営業収益:1.8兆円
総資産:208兆円
監査法人:あずさ

三井住友トラストHD

営業収益:1.4兆円
総資産:57兆円
監査法人:あずさ

りそなHD

営業収益:8,600億円
総資産:56兆円
監査法人:トーマツ

新生銀行

営業収益:3,700億円
総資産:95兆円
監査法人:トーマツ

まとめ

メガバンクについては、それぞれトーマツ(三菱UFJ)、あずさ(三井住友)、新日本(みずほ)とキレイに分かれていますね。
また、取り上げた7企業のうち、メガバンクを合わせてトーマツ・あずさが3企業ずつ、新日本が1企業でした。

以上のまとめです。

POINT・メガバンク3銀行はトーマツ、あずさ、新日本で3つずつ分かれている。
・その他大手金融機関としては、トーマツ、あずさが多く担当している印象。
・地銀については対象から外しているので、自身で調べみてください。